Site Y.M. 建築・都市徘徊

早稲田大学エクステンションセンター 八丁堀校 早稲田大学オープンカレッジ講座
江戸東京の風景学 2

2007年秋期  火曜日4限(15:00〜16:30)


【目標】 江戸以来、東京の風景は大きく変貌しながら今日に至っています。変貌の契機となる主な局面について解説するとともに、風景が成立し変化してゆくプロセスを、まちを歩きながら考えます。
【講義内容】 写真・絵画・地図・映像などの資料を用い、江戸・東京が持つ多様性を浮き彫りにしてゆきます。土木的スケールのものから路地空間まで、これまで取り上げられることの少なかった側面に、着目します。まち歩きにより、実際の風景から都市とそれを見つめる人々の意識、そしてその両者を大きく規定する時代背景について理解します。
【講師】 千葉一輝:早稲田大学芸術学校講師
松本泰生:早稲田大学理工学術院客員講師

第1回
9/25
【高層化する東京】
 松本泰生
近代以降、東京の都市空間は断続的に高層化を続けてきました。特に近年は超高層建物が毎年のように増加しています。高層化と風景の変化、風景に対する考え方の変化について、歴史を辿り、事例を見ながら、高層化する東京の風景の将来像について考えます。
第2回
10/2
【江戸・東京と富士】
 千葉一輝
江戸の原風景としての富士を、人々は朝な夕なその姿を飽くことなく愛で、誇りにしていました。しかし東京においては近年急速にその姿が見えにくくなっています。江戸東京における富士山の意味と、現在の富士山眺望を巡る状況について解説します。
第3回
10/9
まちあるき
現地集合
【駒込〜日暮里を歩く】
 千葉一輝・松本泰生
第2回の講義を踏まえて、駒込から日暮里まで歩きます。今も残る富士塚に登った後、千駄木の住宅地を抜け日暮らしの里に至り、富士見坂、諏訪台から東京の風景を眺めます。
第4回
10/16
【盛り場・繁華街の風景】
 松本泰生
江戸の遊郭・岡場所から、東京の花街・三業地・赤線・青線へ、更に戦後の料亭街に至るまで、色街、花街の歴史的変遷について概要を学びます。また江戸東京における位置づけの移り変わり、特有の街並み風景の変容について知ります。
第5回
10/23
まちあるき
現地集合
【盛り場・繁華街を歩く】
 松本泰生・千葉一輝
第4回の講義を踏まえて、三業地、料亭街など、江戸、明治・大正に形作られた遊興空間を歩き、特有の街並み風景を体験します。(具体的な場所は未定。9月以降の授業時に説明します。)
第6回
10/30
【江戸・東京の寺町】
 千葉一輝
様変わりの激しい東京において、寺町はその特質上、環境がよく保たれています。しかし、寺院は江戸期から近代において、都市計画上、幾度となく移転を繰り返しました。新旧の寺町と、そこで行われているさまざまな取り組みを紹介します。
第7回
11/6
まちあるき
現地集合
【谷中を歩く】
 千葉一輝・松本泰生
第6回の講義を踏まえ、江戸期以来の最大の寺町、谷中を中心に歩きます。緩やかな時の流れ、昔ながらの寺院風景を味わいます。近年起こりつつある変化にも眼を配りながら、静かな路地を辿ってゆきます。
第8回
11/13
【江戸四宿の風景】
 松本泰生
江戸四宿(品川、千住、板橋、新宿)と呼ばれる、江戸の近郊の宿場町それぞれの歴史概要と、江戸における位置づけを学びます。街道沿いに成立し栄えた、江戸四宿の空間構造と風景の特色を、地図や古写真を見ながら理解し、更にそれらの近代以降の変容についても学びます。
第9回
11/20
まちあるき
現地集合
【品川宿を歩く】
 松本泰生・千葉一輝
第8回の講義を踏まえて、街道沿いに発達した宿場町として実際に品川宿を歩きます。街道沿いに立ち並ぶ家並みや寺院・神社を巡り、宿場町の風景を体験し、空間構造の特色を理解します。
第10回
11/27
【東京の故郷性】
 千葉一輝
果てしなく変貌し続ける東京は、「故郷」という視点からはどのように見えてくるのでしょうか。伝統的まちなみが残る小江戸なども参照しながら、これまでの講義を踏まえ東京の都市居住、風景の今後について考えます。


・上記は予定です。都合により日程や講義内容を変更する場合があります。
・まちあるきは現地集合です。八丁堀校との間の移動には時間が掛かりますので、登録の際は、前後に時間の余裕をもって下さい。

・早稲田大学エクステンションセンターのHPはこちら


【講師プロフィール】

千葉一輝:
1950年東京生まれ。慶應義塾大学法学部卒。早稲田大学大学院理工学研究科修了。麻布大学講師。工学博士。台東区景観アドバイザー・足立区まちづくり公社都市景観デザイン専門員。論文に「近代以降における東京の寺院集積地区に関する研究」「江戸・東京における眺望の変容に関する研究」など。
千葉一輝氏のHP「富士見坂眺望研究会

松本泰生:
1966年静岡県生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科修了。工学博士。専攻は都市計画、景観デザイン、都市形成史など。主著に「東京の階段」(日本文芸社)、「21世紀の日本のかたち「東京の斜面地と景観形成」」(共著・彰国社)、「景観法と景観まちづくり「城下町風まちづくり事業」」(共著・学芸出版社)など。

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