Site Y.M. 建築・都市徘徊

早稲田大学エクステンションセンター 八丁堀校 早稲田大学オープンカレッジ講座
江戸東京の風景学 I

早稲田大学エクステンションセンターHP

2014年度 春期  火曜日4限(15:00〜16:30)


【目標】 江戸以来、東京の風景は大きく変貌しながら今日に至っています。変貌の契機となる主な局面について解説するとともに、風景が成立し変化してゆくプロセスを、まちを歩きながら考えます。
【講義内容】 写真・絵画・地図・映像などの資料を用い、江戸・東京が持つ多様性を浮き彫りにしてゆきます。土木的スケールのものから路地空間まで、これまで取り上げら れることの少なかった側面に着目します。まち歩きにより、実際の風景から都市とそれを見つめる人々の意識、そしてその両者 を大きく規定する時代背景について理解します。
【講師】 千葉一輝:麻布大学講師
松本泰生:早稲田大学理工学術院客員講師

第1回
4/08
【原風景としての江戸】
 千葉一輝
江戸という都市の風景を、そこに暮らした人々はどのように眺め、理解していたのでしょうか。そして近代以降、その風景はどのように変っていったのでしょうか。風景と眼差しの変化をたどります。
第2回
4/15
【東京都心の地形】
 松本泰生
東京都心部は武蔵野台地の東端に位置し、浸食と隆起により台地と谷・低地のある複雑な地形になっています。江戸期以来、それら台地と低地は様々に利用されてきました。江戸東京の町の基底にある地形の概要を知り、その変遷について見ていきます。
第3回
4/22
巡見
現地集合
【東京都心の地形を体験する】
 松本泰生
第2回の授業を踏まえて、日比谷・霞が関周辺を訪れ、台地と谷地からなる東京都心部の地形を体験します。地形にもとづく江戸の風景を想像し、明治以降の空間構造の変遷と、その現状について理解を深めます。
第4回
5/13
【東京の川】
 千葉一輝
江戸の繁栄を支えたのが隅田川(大川)であるならば、東京下町の繁栄を支えたのは荒川(放水路)であると言うことができます。東京の川の中でも特に近代土木史上、不滅の業績となった荒川放水路の工事について経過を辿るとともに、荒川が与えた影響を見てゆきます。
第5回
5/20
巡見
現地集合
【荒川を歩く】
 千葉一輝
ここまでの講義を踏まえて、荒川を歩きます。江戸の外れだった場所の再開発による住宅街の変容と、それをとりまく荒川の風景を眺めながら歩を進めます。コースの詳細は講義中にお知らせします。
第6回
5/27
【繁華街風景の今昔】
 松本泰生
江戸時代には、江戸の発展に伴い日本橋・浅草などの繁華街や盛り場が生まれました。近代になると、鉄道網の発達と共に新宿、渋谷など、新たな繁華街が形成されてきました。街並み風景の移り変わりを中心に大都市の繁華街について考えます。
第7回
6/03
巡見
現地集合
【日本橋界隈を歩く】
 松本泰生
第6回の講義を踏まえて日本橋界隈を歩き、江戸・東京の発達と共に変貌を遂げてきた都心商業地の街並み風景の現状を見て歩きます。
第8回
6/10
【江戸・東京の道】
 千葉一輝
道というものは、一旦出来上がると道筋などは基本的に保たれたまま存続します。江戸から東京にかけての主要な道や、小道などを事例的にとりあげ、その変遷について考えます。


・上記は予定です。都合により日程や講義内容を変更する場合があります。
・巡見は現地集合・現地解散です。集合場所等は事前の授業でお知らせします。 八丁堀校との間の移動には時間が掛かりますので、登録の際は、前後に時間の余裕をおとり下さい。


【講師プロフィール】

千葉一輝:
1950年東京生まれ。慶應義塾大学法学部卒。早稲田大学大学院理工学研究科修了。専攻は都市景観、都市デザイン。工学博士。ものつくり大学講師。台東区、新宿区景観アドバイザー。論文に「近代以降における東京の寺院集積地区に関する研究」「江戸・東京における眺望の変容に関する研究」など。
千葉一輝氏のHP「富士見坂眺望研究会

松本泰生:
1966年静岡県生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科修了。工学博士。専攻は都市計画、景観デザイン、都市形成史など。主著に「東京の階段」(日本文芸社)、「新宿学」(共著・紀伊國屋書店)、「21世紀の日本のかたち「東京の斜面地と景観形成」」(共著・彰国社)、「景観法と景観まちづくり「城下町風まちづくり事業」」(共著・学芸出版社)など。


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