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早稲田大学エクステンションセンター 八丁堀校 早稲田大学オープンカレッジ講座
江戸東京の風景学 春編

早稲田大学エクステンションセンター Website

2016年度 春期  火曜日4限(15:00〜16:30)


【目標】 江戸以来、東京の風景は大きく変貌しながら今日に至っています。変貌の契機となる主な局面について理解するとともに、風景が形成されてゆくプロセスを、多様な資料から考えます。これらに加えて実際のまちの現況を見て歩くことで、風景に対する見識を深めます。
【講義内容】 写真・絵画・地図・映像などの資料を用い、江戸・東京が持つ多様性を浮き彫りにしてゆきます。土木的スケールのものから路地空間まで、これまで取り上げられることの少なかった側面に着目し、まち歩き(まちなか巡見)により、実際の風景から都市とそれを見つめる人々の意識、そしてその両者を大きく規定する時代背景について理解し、江戸東京の風景を考える手がかりとします。
【講師】 千葉一輝:麻布大学講師
松本泰生:尚美学園大学講師
赤坂 信:千葉大学大学院園芸学研究科・園芸学部教授

第1回
4/12
【江戸東京の原風景】
 千葉一輝
江戸という都市の風景を、そこに暮らした人々はどのように眺め、理解していたのでしょうか。そして近代以降、その風景はどのように変っていったのでしょうか。風景と眼差しの変化をたどります。
第2回
4/19
【東京都心部の地形】
 松本泰生
江戸の町は武蔵野台地の東端部に形成され、高台や坂の多い山の手と、平坦で水路の多い下町という二つの地域に大別することができます。現在の東京都心部に相当する江戸の町の、地形の概要を知り、それにもとづく風景の特色とその変遷を見ていきます。
第3回
4/26

【東京の川】
 千葉一輝
江戸の繁栄を支えたのが隅田川(大川)であるならば、東京下町の繁栄を支えたのは荒川(放水路)であると言うことができます。東京の川の中でも特に近代土木史上、不滅の業績となった荒川放水路の工事について経過を辿るとともに、荒川が与えた影響を見てゆきます。
第4回
5/10
【江戸東京の庭園】
 赤坂 信
明治維新後、主を失った数多くの大名屋敷は廃屋に、長年手入れをしてきた庭園群は荒廃してしまいます。当時の東京府知事は、殖産事業を興そうと荒れた屋敷や庭園を取り壊して農地とすべしという桑茶令を出します。江戸時代に築かれたものが消滅する時代でもありましたが、保存されて現代にいたるものもあります。その理由と時代背景について解説します。
第5回
5/17

【庭園巡見】
 赤坂 信
第4回の講義を踏まえて、庭園巡見を行います。巡見先の詳細は講義時に御説明します。
第6回
5/24
【江戸東京の道】
 千葉一輝
道というものは、いったんできあがると道筋などは基本的に保たれたまま、長きにわたり存続してゆきます。江戸から東京にかけての主要な道や、山の手・下町の道路パターンなどをとりあげ、その変遷について考えます。
第7回
5/31
【江戸四宿】
 松本泰生
江戸の市域に隣接し、遊興地等として栄えた江戸四宿()品川、千住、板橋、内藤新宿)の概要と、江戸における位置づけを学び、その空間構造と町並み風景の特色について概説します。またそれらの近代以降の変容と現状についてもお話します。
第8回
6/07
【品川宿を歩く】
 まちなか巡見
 松本泰生
第7回の講義を踏まえて、東海道最初の宿場として発達した品川宿を歩きます。街道沿いに立ち並ぶ家並みや寺院・神社を巡り、宿場町の風景を体験し、空間構造の特色を理解します。
第9回
6/14
【東京の寺町】
 千葉一輝
様変わりの激しい東京において、寺町はその特質上、環境がよく保たれています。しかし、寺院は江戸期から近代において、都市計画上、幾度となく移転を繰り返しました。新旧の寺町と、そこで行われているさまざまな 取り組みを紹介します。
第10回
6/21
【谷中を歩く】
 まちなか巡見
 千葉一輝
第9回の講義を踏まえて、江戸期以来の東京最大の寺町、谷中を歩きます。緩やかな時の流れ、昔ながらの寺院風景を味わいます。近年の変化にも眼を配りながら、境内や路地を巡って行きます。


・上記は予定です。都合により日程や講義内容を変更する場合があります。
・まちなか巡見は現地集合・現地解散で、4km程度歩きます。集合場所等は事前の授業でお知らせします。 八丁堀校との間の移動には時間が掛かりますので、登録の際は、前後に時間の余裕をおとり下さい。


【講師プロフィール】

千葉一輝:
1950年東京生まれ。慶應義塾大学法学部卒。早稲田大学大学院理工学研究科修了。工学博士。専攻は都市景観、都市デザイン。ものつくり大学講師。台東区・新宿区や調布市等の景観アドバイザー。論文に「近代以降における東京の寺院集積地区に関する研究」「江戸・東京における眺望の変容に関する研究」など。
千葉一輝氏のWebsite「富士見坂眺望研究会

松本泰生:
1966年静岡県生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科修了。博士(工学・早稲田大学)。都市景観・都市形成史研究を行う傍ら、90年代から東京の階段を訪ね歩く。著書として『東京の階段−都市の「異空間」階段の楽しみ方』(日本文芸社)、『新宿学」(紀伊國屋書店・共著)などがある。

赤坂 信:
千葉大学大学院を経て西ドイツ(当時)政府給費留学生としてハノーバー大学に留学。1981年より千葉大学助手として園芸学部に勤務し、現在に至る。専門は風景計画学、造 園学、都市緑地史。『ドイツ国土美化の研究』で京都大学から農学博士の学位を受ける。ICOMOS国際会議で眺望の再生と復活をめざすVista Heritage(眺望遺産)の提言。日本イコモス会員。

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