沼津の美観地区

沼津市内の美観地区の街並み
所在地:沼津市 町方町
Photo 1994.8.13

 沼津市内の目抜き通りには全国的にも数少ない美観地区が戦後設定された街並みがある。

 特徴的なのは、通り沿いの建物が1F部分を歩道として供出していて、その上に建物が建っていることだ。普通は歩道は市なり国が所有する道路の一部で、その上空に建物が建つことはない。ここの場合、道路外の敷地内に歩道状の通路がある。

 地権者は歩道を供出しているから、ちょっと損しているような気もするが、考え方を変えると、車道の幅を広めに確保することができ、且つ歩道上空を有効活用することにもなる。これでボーナスの容積を与えるか何かすれば、無理に道路を拡幅しなくても、歩行者空間を得ることができるわけで、一石二鳥のような気がするが、何故か全国的には広まらなかった。沼津のこの通りのほかは横浜の元町など、少数の商店街だけで実現した珍しい街並み。

 私有地を歩道として提供するあり方は雪国を中心として「雁木」や「こみせ」があるが、木造であることが多く、通路上部にまで建物を張り出している例はあまり多くないようだ。

 

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