旧東海道を歩く 間の宿 宇津ノ谷

1995.5.5

 丸子川沿いにさかのぼって谷奥に入ると宇津ノ谷峠である。現在の国道1号線は4車線のトンネルで峠の下を突き抜けていくが、むかしみちはそこから右へそれて更に谷奥を目指して上っていく。また、蔦の細道と呼ばれる古道はトンネル手前から左へそれて峠に至る。

 トンネルの直前は国道1号線沿いを歩くしかないのだが、祝日のため道は混んでいて車は渋滞。排ガスを吸いながら歩くのは気分の良いものではないが、渋滞している車中から「ガンバレー」なんて声を掛けられたりもする。京都まで行く途中なんですってな感じなら格好いいのだが、生憎、峠を越えて数Kmのハイキングなので、声援されてもちょっと気恥ずかしかったりする。

 谷を入っていくと、宇津ノ谷集落がある。その昔ここで休息した徳川家康から羽織を賜った御羽織茶屋や十団子などの見所がある。ちょっとそこいらを見学。

 道は上り坂。道沿いの建物の軒庇が段々に重なって見え、味わいのある風景になっている。後ろを振り返るとそこも山、谷あいを随分歩いてきたのだということに気付く。

 坂を上りきると、煉瓦造りの細いトンネルがある。明治時代に国道1号が造られたときにできた明治の宇津ノ谷トンネルである。しかし我々はそこから更にそれて山道へ上るのでした。

 宇津ノ谷峠にはこの明治のトンネルの他に大正期にできた片側一車線のトンネル、昭和になってできて現在も国道1号線の上り車線?として使われている昭和のトンネル、国1の4車線化に際してできた平成のトンネルと、4つの時代のトンネルがある。日本の大動脈として変化し続けてきた山あいの里である。

 お茶畑の間を抜けて、峠に向かいながら振り返ると、宇津ノ谷集落の全体が見える。お茶と木々の緑に囲まれて瓦屋根の連なる景色が美しい。山間にひっそりたたずむ集落の風情。

2007.8.12
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